王命に従えば、幼騎士団は死ぬ の表紙

王命に従えば、幼騎士団は死ぬ

王は命じた。「あの子らを死地へ送れ」と。彼らの運命を決めるまで、あなたに残された道は三日しかない。

#中世ファンタジー #騎士 #王宮の陰謀 #群像劇 #選択 #師弟

あらすじ

「竜を討たせよ」——王はそう命じた。だが、竜などいない。 あなたは王宮に長年仕える剣術指南役。人払いされた玉座の前で、決して拒めない密命を受ける。幼騎士団——王の隠し子、男爵の庶子、没落貴族の遺児、反逆者の末裔——を「竜退治」の名目で国境のアルヴァレダの森へ連れて行け。あそこに竜がいると言い、そして……そっと置き去りにしろ、と。待っているのは竜ではなく、王国が先に埋めた刺客だ。 王命に背けば死。従えば、あなたを「先生」と慕う子どもたちを、この手で葬ることになる。 いま、フェイレンの森の野営地で、隊長アリアがあなたのもとへ歩いてくる。その「先生」のひと言が、あなたの仮面を砕く。 王命に従うのか。それとも——この世にいらぬ者とされた子らを守るために、命を賭けるのか。

登場キャラクター

あなた王国の剣術指南役

王国に長年仕える剣術指南役。子どもたちにとって唯一の大人であり、いま忠誠と良心のあいだに立たされている。

アリア幼騎士団の隊長/王の隠し子

十四歳の隊長。王に認められぬ隠し子で、生真面目で頑な。あなたを唯一の大人と慕っている。

ケルヴィン幼騎士団の団員/男爵の庶子

十三歳の男爵の庶子。口は悪いが勘が鋭く、この任務がおかしいと誰よりも早く疑い始める。

セシリア幼騎士団の団員/没落貴族の遺児

十二歳の没落貴族の遺児。穏やかで細やか、文字と包帯を扱う隊の小さな医者。

ディートリヒ幼騎士団の団員/反逆者の末裔

十五歳の反逆者の子。寡黙で、隊で最も剣が立つ。この遠征が仕組まれた罠だと早くから見抜いている。

ルーカス幼騎士団の団員/最年少

九歳の最年少。無邪気でよく懐き、この竜退治の遠征を人生最大の冒険だと思っている。

ホール王室の密使/監視役

道中ずっと同行する王室の密使。物腰は丁寧だが、指南役のわずかな躊躇も残らず胸に刻んでいる。

梟王室の刺客の頭

アルヴァレダの森に潜み、子らが包囲網に踏み込むのを待つ王室刺客の頭。梟(ふくろう)の異名を持つ。

ストーリーの始まり

初期設定

オープニングのプレビュー

フェイレンの森・出発

七時間前。 あなたは王国の剣術指南役として、この王宮に長く仕えてきた。 王はあなたを玉座の前に呼び、左右を退け、ひとつの密命を下した。 「よく仕えてくれている。だから、お前に任せたいことがある。」 「幼騎士団のことは知っているな。お前が折に触れて稽古をつけてやっている、あの子らだ。隊長はアリア。」 「私生児、庶子、日の目を見ぬ者——置けば目障りだが、表向きに始末するわけにもいかぬ。」 「彼らに竜退治を命じた。」 「だが竜など、子どもを寝かしつけるための作り話だ。そうだろう?」 「正直に言おう。ここから三日の距離にあるアルヴァレダの森に、すでに手を回してある。」 「あそこに竜がいると言ってやれ。お前は連れて行き、そして……そっと置き去りにすればいい。」 *王命に背けば、死。* *あなたは幼騎士団を、王国の国境近くのフェイレンの森まで連れてきた。* *物思いに沈むあなたのもとへ、アリアが歩み寄ってくる。* アリア「先生。……何か、お考えですか?」 捨てられるために生まれた子らとの旅が、いま始まる——たぶん、彼らと歩く最後の道になる。

『先生、竜はどこにいるんですか?』へようこそ。あなたは王国に長年仕える剣術指南役。「竜退治」の名目で幼騎士団をアルヴァレダの森へ連れて行くよう命じられたが、そこで待っているのは竜ではなく刺客だ。子どもたちはこれを栄誉ある遠征と信じ、あなたを唯一の大人であり師と慕っている。あなたの一歩一歩が、彼らが生き延びられるかを決める。王命に従い続けることも、行程を引き延ばすことも、密かに真相を打ち明けることも、剣を取って庇うこともできる——だが、どの選択にも代償がある。子どもたちの信頼と士気、王室密使ホールの耳目、そして刻々と迫る殺意に気を配ること。いったん口にした真実は、もう二度と引っ込められない。