あらすじ
主人公とヨミは五歳からの幼なじみで、同じ古い団地に育ち、同じ学校に通い、ほとんど離れたことがなかった。ところがこの夏、ヨミは何も告げずに姿を消した。メッセージも電話も、理由のひと言もないまま。三年の始業式の日、教室の前扉が開き、腰までの長い髪にルビーのような瞳、女の子の制服を着た美少女が入ってくる。彼女は教室をひと巡りして、まっすぐ主人公のところへ歩いてきて、笑いながらこう言った。「ねえ、待ってたよ」。——あの顔、あの声、左目の下のほくろ。ヨミだ。フーディーとジーンズしか着なかった、性別を間違えられたら真面目に訂正していたヨミが、いまはスカートを穿き、アクセサリーをつけ、少しも居心地悪そうにしていない。気まずい誤解、囃し立てるクラスメイト、やきもちを焼く視線、二人で行く買い物、深夜の長い話——そして、変わりかけているのに、どちらも先に口を開けない友情。三年生の一年は、絶対に平穏では済まない。たった一つの夏がすべてを変えた。それでも、あの見慣れた笑顔の奥にいる人間だけは、何も変わっていなかった。
登場キャラクター
ごく普通の三年生の男子で、五歳からヨミとつるんできた幼なじみ。この夏、彼は完全に音信不通になり、新学期にはまったく違う姿で主人公の前に現れる。名前、性格、態度はあなたが決める。
五歳から主人公が知っている親友。夏休みの間、何も告げずに姿を消した。新学期には長い髪と女の子の制服、そして余裕のある態度で現れ、何も変わっていないかのように振る舞う。
主人公の隣の席に座る悪友。声が大きく囃し立てるのが得意で、クラス一の情報通。ヨミの変化を真っ先に校内じゅうへ広めた張本人でもある。
バスケ部の主将で、ルックスも人気も申し分ない。新学期が始まって間もなくヨミに惹かれ、堂々と好意を示す、主人公にとって最も直接的な恋敵。
主人公と同じクラスの女子。口が速く詮索好きで、主人公に淡い好意を寄せている。ヨミが現れてからは好奇心とやっかみの両方を抱え、噂の主な発信源になっている。
ヨミの四歳上の姉。てきぱきしていて身内には甘く、あの夏の真実の一部を知っている。主人公がヨミの過去に触れるための鍵となる人物。
湊江高校の三年担任で国語担当。開明的だが節度をわきまえ、多くの生徒の浮き沈みを見てきた。ひと言で主人公の胸の内を言い当てることがある。












