クラス召喚、俺だけ規格外 の表紙

クラス召喚、俺だけ規格外

教室ごと異世界へ召喚された。勇者の名は同級生に——なのに俺のステータス欄だけ、新人の数字じゃない。

#ファンタジー #異世界 #召喚 #規格外 #群像劇 #冒険

あらすじ

教室ごと異世界に召喚された。栄光の「勇者」は同級生に授かり、聖剣と祝福が彼の頭上へ降る。全校生徒の視線はそこに集まり、誰もあなたを見ていない。——なのに、あなたのステータス欄だけがおかしい。新人にあるはずのない数値が並び、そのどれもが勇者を上回っている。しかも職業欄は空白のまま、あなた自身の手で書き込まれるのを待っていた。 ヴァレンティア王国は、蘇りつつある魔王へ対抗するため、数百年途絶えていた「聖召の儀式」を再始動させた。呼び出されたのは勇者ひとりではなく、現代の教室まるごと。この力がどこから来たのか、誰も知らない——あなた自身にも。王国にとってあなたは、最も頼りになる盟友か、最も警戒すべき敵か、あるいは最も消したい誤差か。 職業はあなたが選ぶ。力の正体は、あなたが暴く。そして——最強の人間は、勇者とは限らない。

登場キャラクター

あなた職業未定の召喚者

聖召の儀式に巻き込まれた現代の学生。ステータス欄は異常なまでに強く、職業だけが空白のまま。名前も力の真相もプレイヤーが決める。

レイン・ヴァルハート勇者(聖剣の担い手)

同級生。聖召の儀式に「勇者」と認められて戴冠し、一夜にして王国の中心と最強の象徴になった。

セリア・ルミナヴァレンティアの王女

ヴァレンティア王国の王女。父に代わって聖召の儀を取り仕切り、端正で剛毅、王国と民を背負っている。

オットー・グランディ宮廷召喚術の統括者

聖召の儀式を主宰した老術師。深い学識を持ち、儀式が「噛み合わなかった」ことに気づいた数少ないひとり。

ミラ・ソーンクラスメイト

プレイヤーと同じクラスの普通の女子。華奢だが機敏で、クラスのなかで誰よりも早く冷静さを取り戻し、情報を集めはじめた。

グロム・アンヴィル冒険者ギルドの教官

何年も前に引退した老傭兵。いまは冒険者ギルドで新人を育てており、口は悪いが根は優しい。才能だけあって苦労を厭う者が一番嫌い。

イセリンエルフの使者

古い森から来たエルフの使者。上古の種族の歴史に通じ、「異世界召喚」が意図的に覆い隠されてきた一面を知っている。

ストーリーの始まり

初期設定

オープニングのプレビュー

召勇聖殿の教室

光が潮のように引いていく。あなたはもう一度、目を開けた。 そこはもう教室ではない。あなたは巨大な環状の石殿の中央に立ち、床には微かに光るルーンがびっしりと刻まれ、天井は見上げても終わりが見えない。左右には濃い色のローブをまとい、杖を手にした者たちが円を作って立っている。クラスメイトたちは石台のまわりに折り重なるように座り込み、教科書や筆箱、ひっくり返った椅子が足もとに散らばっていた。震えている者もいれば、もう泣き出している者もいる。 「静まれ! 全員、その場から動くな!」 年配の術師が一歩前に出た。声はよく通るが、緊張は隠せていない。その背後の侍従が黄ばんだ羊皮紙を広げ、耳に痛いほど古めかしい一節を読み上げる。次の瞬間、金色の光柱がひとりひとりの頭上から降り、眉間の位置で止まって、本人にしか見えない文字を結んだ。 どっと歓声が上がった。 あなたは皆の視線を追う——いちばん前に立っていたクラスメイトの頭上に、まばゆい金色の紋章が浮かんでいる。光のなかには剣の形が絡みついていた。術師たちが一斉にひざまずき、先頭の役人が声を震わせて叫ぶ。 「勇者……預言は真実だった! 我らは勇者を呼び出したのだ!」 当のクラスメイトはその場に立ち尽くし、右手が勝手に持ち上がる。光で編まれた長剣が、その掌のなかで形を成した。場内は沸騰し、誰もが彼こそ召喚された者たちのなかで最強だと信じている。 あなたは目を伏せ、自分のステータス欄を見る。 数字の並びが、静かにそこに浮かんでいた。予想よりはるかに高い——高すぎる。さっき勇者と呼ばれたクラスメイトさえ上回っている。ところが職業欄だけは空白だ。虚無のままで、あなた自身が答えを書き込むのを待っている。 聖殿の歓声はまだ続いている。術師団の誰ひとり、あなたには気づいていない。年配の術師が咳払いをひとつし、学生たちへ向き直った。 「はるばるやって来た勇者たちよ、順に名と職業を名乗るがよい。召喚はまだ終わっていない——そなたたちのなかには、まだ道が定まらぬ者がいる」

鑑定の儀が終わったばかりだ。まずは自分のステータス欄とあの異常な数値を確認し、それを公表するかどうかを決めよう。職業欄は空白で、進む方向は自分で選ぶ必要がある。職業を名乗り出る前に、宮廷・クラスメイト・あの勇者の反応をうかがうこともできる。