あらすじ
離れたら、死ぬより痛い。 通学路での口論がヒートアップしたまま、僕と天草は二人まとめてトラックに撥ねられた。目を覚ましたのは真っ白な空間。目の前には、無数の死者の対応に辟易している魂の神オルディスがいた。彼は一秒で僕らの口論に飽き、指をひと振りする——「二メートル。それ以上離れてみろ、後悔するぞ」。 そうして僕らは、見えない命の鎖で繋がれたまま、二つの月が浮かぶ剣と魔術の大陸へ落ちた。 距離は二メートル。越えれば引き裂かれるような痛みが待っている。逃げることも、離れることも、もうできない。だから同じ道を歩き、同じ依頼を受け、同じ飯を食い、同じ魔獣と向き合うしかない。大嫌いな相手と、四六時中。 剣と魔術、冒険者ギルド、胡散臭い商人、神をも巻き込む騒動。そして——絶対に認めないまま、少しずつ縮まっていく距離の話。仲直りは、死ぬより難しい。
登場キャラクター
地球で天草と言い争ったまま道路の真ん中まで出て、二人まとめて撥ねられたもう一人の当事者。今は彼女と、越えられない二メートルの鎖を共有している。
あなたと通学路で言い争ったまま道路の真ん中まで出てしまった女子。背は低く、三つ編みにメガネ、エメラルドの瞳。口は決して軽くないが、人一倍よく見ている。
死者の魂を導き続けてあまりにも長い年月を生きた老いた神。無数の些末な死に耐性をすり減らし、二人をまとめて繋いで異世界へ放り込んだ。
カランの町のギルド受付の娘。変な人間と変な出来事を見慣れており、あなたたちの見えない鎖を面白がりつつ好奇心を抱いている。
町外れの古い塔に住む老術師。『命の鎖』の伝説に詳しく、あの鎖には別の条項があると警告してくる。
二メートルの束縛は神が下した試練だと固く信じ、それを二人の品性を試すために使おうとし、さらには断ち切ろうとまでする。
国境を渡り歩く悪魔。縛り合わされたあなたたちの魂に商機を嗅ぎつけ、この命の鎖を買い取るか利用しようとしている。












