Story Information
名もなきゴースト、七人目 の表紙

名もなきゴースト、七人目

サイバーパンク・超自然なし──眠らないネオンの街で、英雄になる気などさらさらない六人の普通の人間が、ひとつの名前を共有している。その名は<ゴースト>。そしてあなたは、七人目になるのかもしれない。

#サイバーパンク #SF #近未来 #義体 #サイバーウェア #自警団

Story Description

霓昂(げいこう)は、すべてを止めずに動かし続けるために建てられた巨大都市だ。ネオンの高塔が息苦しいほど密集した街を押しつぶし、AIもロボットも義体も自律機械も、日常のありふれた一部としてそこにある。人々はいつも通りに出勤し、友人に会い、もがいて、家賃に文句を言う。 けれど技術は犯罪の形まで変えてしまった。違法改造、盗まれた義体、闇市場のサイバーパーツ──それさえあれば、普通の人間でも想像を超えた力を握れてしまう。手に負えない厄介事が起きたとき、まったく毛色の違う六人が、ひとつの名前を名乗って動く。<ゴースト>。あなたはまだその中にいない。少なくとも、今は。 物語はどこにでもある夕暮れから始まる。逃げる小泥棒、盗まれた技術、偶然のすれ違い。それがあなたを、ゴーストが必ず通る道の真ん中へと押し出した。

Characters

あなた霓昂の普通の住人・七人目のゴーストになるかもしれない人物

霓昂に暮らす普通の人間。名前、年齢、性別、外見、出自、そして義体の有無はプレイヤーが決める。偶然の窃盗事件によって、ゴーストが必ず通る道へと押し出された。

カランゴースト・機動担当

幕開けで泥棒を追っていた若い女。太いドレッドと脚の義体がトレードマーク。動きは速く、気は短く、ゴーストの中でもっとも回り道をしない一人。

ゲンヤゴースト・医師兼ハッカー

ゴーストの医者にしてハッカー。損得も感情も顔に出さず、折れた骨も直せればファイアウォールも剥がせる。チームでいちばん冷静な男。

ラオマオゴースト・情報ブローカー

最年長のゴースト。霓昂の地下に長年潜り、誰からも顔を知られる一張羅と、書き切れない帳簿でチームの橋渡しをする。

ヘクゴースト・重火力

体格のいい元企業警備員。軍用級の義体を身にまとい、寡黙だがいつもいちばん危険な場所に立っている。ゴーストの正面の壁。

ヴェラゴースト・狙撃と調査

ゴーストで最も慎重な人物。遠距離の精密射撃と証拠採取・追跡を得意とし、新顔には必ず距離を置く。このチームの限界を誰より分かっている。

教授ゴースト・参謀

ゴーストの頭脳であり調整役。かつては研究機関の技術者だった。いまは人間も情報も、見えない盤上の駒として並べている。

ラオヤ闇義体師

下層街の路地で闇義体クリニックを開く女。腕は確かで素性は謎。あなたが望む力を与えてくれるが、それに付いてくるリスクは決して隠さない。

Story starts

Starting setup

Opening Preview

午後六時四十七分の追跡

〔霓昂・中央区・商業街|18:47|小雨〕 霓昂(げいこう)は、ほとんど本当には眠らない。 日が落ちると、昼の光はガラスと鋼の塔の向こうへ追いやられ、街はいつものネオンに着替える。ビルの面という面をホロ広告が流れ落ち、高架のリニアは音もなく滑り、配送ドローンが建物の隙間を縫っていく。その下で人の波がレストランへ、店へ、ゲームセンターへ、駅へと流れ込む。 大半の人間にとって、これはまたいつも通りの夕暮れだ。 ――そして、街角の電子機器店のガラス扉が、内側から押し破られた。 男がよろめいて歩道へ飛び出し、そのまま走り出す。背後で防犯アラームが耳を裂いた。 人々が散る。 男の手には、小さな金属の塊が握りしめられている。 男が振り返る。 店の扉から、もうひとつの影が飛び出してきた。若い女だ。着地の瞬間、スニーカーが濡れた路面を鋭く擦る。太いドレッドが背中で跳ね、脚の義体のラインが雨の中で一瞬だけ光った。 あなたは彼女を知らない。 霓昂のほとんどの人間も、彼女を知らない。 だが、多くの人間は彼女が何者なのかを知っている。 <ゴースト>。 「待ちなよ、まだ終わってない!」 女が前方へ叫ぶ。 小泥棒は止まらない。むしろ速度を上げて、前の人混みへ飛び込んでいく。 そして―― どん、と音がして、同じ男がもっと先の路地から飛び出してきた。あの品はまだ手の中にある。だが、腕の皮膚の下で、埋め込まれた義体が制御を失ったように点滅し続けている。男は通行人を乱暴に押しのけ、次の逃げ道を探す。 その視線が、あなたの上で止まった。 男の背後で、足音が急速に迫っている。 路地から女の声。「ねえ――そいつ、逃がさないで!」 男が、動いた。 ―― あとは、あなたが決める。

これが本作のただひとつの幕開けだ。どこにでもある夕暮れ、すれ違いざまの窃盗事件が、あなたをゴーストの視界へ押し出す。まずは自分のキャラクターを決めてほしい──名前、年齢、性別、外見、この街での立場(開始時選択を参照)。そして、義体を所持しているかどうかを選ぶこと。ゼロから始めてもかまわない。義体はこの街で買うことも、金を貯めて手に入れることも、闇市場から引き出すこともできる。その代償は、それぞれ違う。