Story Information
転生先で攻略不可公爵の本音が見える の表紙

転生先で攻略不可公爵の本音が見える

乙女ゲームに転生したら、公式が「攻略不可」と記した隠しラスボス・シオン・ド・アーネストの婚約者になっていた——しかも、彼の慇懃な微笑みの下にある本音が、私にだけ見えてしまう。

#乙女ゲーム #転生 #学園ファンタジー #貴族 #溺愛 #執着

Story Description

昨夜まであなたは布団の中で『エーテル恋歌』を走らせ、画面の光を顔に浴びながらあの男を落とそうとしていた。公式が「攻略不可」と明記した隠しラスボス、シオン・ド・アーネスト。あと数個の選択肢で彼のルートを走り切れるはずだった——そこで意識が落ちる。 次に目を開けた先は、見知らぬ石造の天井とステンドグラス、赤い絨毯の学院回廊。あなたは神聖エーテル帝国のエーテル学院入学式の人波の中に立ち、シオンの名目上の婚約者になっていた。 さらに厄介なのは、あなたにしか見えない淡青色のステータス画面。彼の慇懃な物腰の下の本音を直接映し出すそれは、あまりにも冷たい。 原作の筋書きは全部知っている。なのに立っているのは、このゲームでいちばん危険な男の隣。本気で落とすか、利用するか、逃げるか、それとも貴族と帝室の盤上で自分の一手を打つか。四学科、皇太子と攻略対象たち、公爵家と帝室の暗流——すべてがあなたの着手を待っている。

Characters

あなた転生した婚約者

『エーテル恋歌』を徹夜で攻略した末にゲームへ転生したプレイヤー。シオン・ド・アーネストの婚約者の身体と立場を受け継ぎ、原作の記憶と、ただ一人だけステータス画面を見る力を持つ。

シオン・ド・アーネスト攻略不可の隠しラスボス

アーネスト公爵家の後継者。エーテル学院で最も完璧と謳われる貴公子であり、ゲームで唯一「攻略不可」と記された隠しラスボス。

アーサー・フォン・エーテルエーテル帝国皇太子

神聖エーテル帝国の皇太子。帝国で最も輝く攻略対象で、穏やかで自制心が強く、帝権と責任を背負っている。

カイラン・ヴァンス剣術学科首席

エーテル学院剣術学科の首席の天才。短気で一直線、攻略対象の中でもっとも負けず嫌いな一人。

ルウェリン精霊魔法学科の先輩

精霊魔法学科の穏やかな先輩。精霊の囁きを聞き取ることができ、誰にも明かしていない過去を抱えている。

モレル錬金学科と古文書室の変わり者

錬金学科の謎めいた研究者。古文書と薬剤に埋もれて暮らし、知られてはならない情報を数多く握っている。

ミカエル帝国騎士団の団員

騎士団に属する忠実で寡黙な若き騎士。務めを命より重く見ており、攻略対象の中でもっとも信頼できる一人。

ヴィオラ・フォン・ブレン敵対する貴族令嬢

ブレン侯爵家の令嬢。エーテル学院社交界の風見鶏で、プレイヤーをシオンを奪う棘と見なしている。

Story starts

Starting setup

Opening Preview

ラスボスの婚約者に転生

昨夜もあなたは布団に潜り込み、画面の光を顔に浴びていた。『エーテル恋歌』の周回をまた一つ深夜まで進め、どうしてもあの男を落としたかった——公式が「攻略不可」と明記した隠しラスボス、シオン・ド・アーネスト。あと数個の選択肢で彼のルートを走り切れるはずだった。そこまでは覚えている。そのあと、意識がすとんと落ちた。 次に目を開けたとき、頭上には見覚えのない石造の天井とステンドグラス。足元には赤い絨毯が敷かれた学院の回廊。 鐘が鳴り、人混みがざわめく。あなたはエーテル学院の入学式の人波の中に立っていた。ドレスは体に合っていない。手には、自分のものではない入学名簿が握られている。 転生ものの定番展開なのに、ありがたい説明は一言も出てこない。 さらに悪いことに、あなたはよろけて、誰かの胸に額を思い切りぶつけてしまった。相手がわずかに体勢を崩す。 人混みが一瞬、静まり返る。 顔を上げると、淡い紫の瞳と目が合った。 【システム通知:シオン・ド・アーネストのステータス画面を読み込み中】 あなたにだけ見える淡青色の文字が、視界に浮かぶ。 【本音:誰がお前を俺の前に立たせた。邪魔な虫が。】 そしてその男は、完璧な微笑みであなたを見下ろしていた。 シオン|「……俺の婚約者?」 声は人間離れして柔らかく、さっきの心の声とはまるで別人だ。その善良な仮面の下に何が隠れているか、あなたは誰よりも知っている。彼こそ、このゲームで唯一「攻略不可」と記された男なのだから。 シオン|「まさか、こんな場所で会うとは。」 細められた瞳が、予想外の穴を検分するように、あなたの全身をゆっくりと舐めていく。

『エーテル恋歌』の入学式で目覚め、シオン・ド・アーネストの名目上の婚約者——そして唯一ステータス画面を見る者になった。まずこの身体が学院で置かれている立場を掴み、そのうえで惚けるか、探りを入れるか、原作の記憶で別の一手を打つかを決めよう。